2017 04/30
熱帯魚・エビ

圧倒的迫力・圧倒的ロマン!全アクアリストの憧れ古代魚の世界

生きた化石といえば、シーラカンスのような希少な存在をイメージする方も多いのではないでしょうか。実は、生きた化石はシーラカンスだけではありません。淡水魚にも太古の昔から姿を変えずに命を紡いできた魚たちがいます。そして、それらはなんと一般家庭でも飼育可能なのです。

今回はそんな古代魚のロマン溢れる世界を覗いてみましょう。

古代魚とは・古代魚の魅力について

Arapaima (Arapaima gigas)
古代魚とは、何億年も前からその姿を変えずに現代まで生き続けている魚たちのことです。それらの多くは大型魚であり、その雄大で優雅な姿は多くのアクアリストを魅了してきました。

その形状は、何度も進化を繰り返してきた生物とは一風異なり、独特なものです。なぜ、このような姿なのか。なぜ、現代まで生き残ることができたのか。古代魚を飼育し、観察を続けることでその答えが見えてくるかもしれません。

太古の昔から生存競争を勝ち抜いてきた古代魚のロマン。そのロマンを自分の所有物とする優越感。これも古代魚飼育の大きな魅力です。彼らをを通して太古の世界に思いをはせるひと時は特別なもの。ぜひ、そのロマンを体感してみてください。

初心者でも飼育できるか

画像出典:http://blog.livedoor.jp

結論から言うと、初心者でも古代魚の飼育は可能です。一般的な古代魚の飼育ノウハウは既に確立されていますし、近年の飼育器材の高い品質は飼育技術をカバーするのに十分な性能を持っています。

しかし、古代魚の飼育には相応の覚悟が必要となってきます。

古代魚の飼育には、大掛かりな飼育装置が必要となります。体長が1m近くになる種類も多いため、120cm水槽でも手狭に感じるでしょう。そしてもちろん、それに伴った性能を持つろ過装置やヒーターの準備も欠かせません。

水槽台も水槽の大きさに応じた頑丈なものを選択し、また、床が抜けるようなことが無いように配慮しなければなりません。

餌についても、人工飼料の他に小魚や昆虫などを与える必要があり、コストがかさみます。

寿命も長く、通常の飼育でも10年以上生きる個体が多いです。

このように考えると古代魚を受け入れることは一般家庭には少し敷居の高いことかもしれません。しかし、逆に言えばこれらの条件をクリアすることができるのであれば、家に古代魚を迎えることができるのです。ぜひ、前向きに検討してみてください。

代表的な古代魚の種類

アロワナ
アロワナ
古くからペットとして親しまれている古代魚です。多くの愛好家たちによって飼育方法が研究され、今では一般的なペットとして定着しています。

アロワナの種類は原産地や生物学的な特徴から分類されます。高価な「アジアアロワナ」、安価で初心者にも手の出しやすい「シルバーアロワナ」「ブラックアロワナ」などが有名です。

初心者にもお勧め「シルバーアロワナ」の特徴
体長 70㎝~80㎝
水温 27度前後
水質 中性
価格 3,000円~

ガー

Big Smile for a Big Nose in Alexander Springs
長く突き出したクチバシが特徴のガー。ペットとしての古代魚の中でもポピュラーな存在です。

体長が2mにもなる「アリゲーターガー」や、1m以下の「スポッテッドガー」などが有名です。

お手軽サイズのガー「スポッテッドガー」の特徴
体長 60㎝
水温 26度前後
水質 中性
価格 5,000円~

淡水エイ
P. motoro
近年、 淡水に生息するエイの人気が高まっています。

飼育難易度は高く、初心者に不向きであると言えます。大型の水槽が不可欠であり、水質にうるさく、尾に毒を持つため、淡水エイの飼育には経験と知識が必要となってくるためです。

しかし、その不思議な模様や美しい動きはアクアリストであれば1度は憧れるもの。アクアリウムの最終目的地として設定してもよいかもしれません。

淡水エイの中では比較的飼育しやすい「モトロ」の特徴
体長 直径50㎝
水温 27度
水質 弱酸性
価格 10,000円~

ポリプテルス
Polypterus bichir bichir
ポリプテルスはその恐竜を連想させる見た目から、最も古代生物らしい古代魚と言えるでしょう。「ポリプテルスセネガルズ」のような成長しても30cm程度の種類もあり、初心者にもお勧めです。

水槽の底面でじっとして過ごす大人しい性格、どこか緩くて愛嬌のある顔。見ているだけで癒される方も多いのではないでしょうか。不思議な魅力に溢れた古代魚です。

本記事では初心者にも飼育しやすい古代魚として「ポリプテルス・エンドケリー」をお勧めします。(次章参照)

飼育しやすい古代魚「ポリプテルス・エンドケリー」と飼育環境

Bichir_Koliba
体長 45cm前後
水温 25~30度
水質 中性
価格 3000円~

ポリプテルス・エンドケリーは、古代魚の中では比較的扱いやすいサイズの種類です。入手難易度も低く、丈夫な魚です。見た目の面でも十分以上に古代魚らしさを感じることができ、長年連れ添っても飽きの来ない奥の深さを秘めています。そのため、初心者にとって古代魚飼育の入り口としてお勧めの魚です。

特徴的な模様は「バンド」と呼ばれ、各個体それぞれに特有のものを持ちます。生体の購入の際には、可能な限り多くのポリプテルス・エンドケリーを見てお気に入りの一匹を探しましょう。

水槽のサイズは120㎝以上を推奨しますが、90cmのものでも飼育可能です。パワーのある魚ですので、丈夫な水槽を選択してください。また、水を汚しやすい魚ですので、ろ過装置は性能に余裕のあるものを選択してください。

エサは人工飼料を基本としてよいですが、週に一度ほど金魚などの生餌や牛ハツなどを与えましょう。特に幼魚の時期は成魚になった際の大きさ、太さを決定づける大事な時期ですので、栄養バランスを考慮しながら生餌の割合を多めに保つのが良いでしょう。

ポリプテルスは基本的には水槽の底辺にいる魚ですが肺呼吸が可能なため、空気を求めて水面に上がってきます。その際、あまりの勢いに水槽の外に飛び出してしまう事故が発生することがあります。水槽上部には飛び出し防止の蓋を付け、かつ呼吸が可能な水位を保ちましょう。

まとめ

古代魚というと、なんだか難しそうな印象を持つこともあるかもしれませんが、難しく考える必要は無く、通常の観賞魚飼育と基本は同じです。身近なところでは、日本の水田で見られるカブトエビも古代魚の仲間であると言ってもよいかもしれません。そう考えると少し親しみやすくなりませんか?

古代魚に興味のある方はぜひ、勇気を出して一歩を踏み出してみてください。その先はきっと、古代魚たちが導いてくれるでしょう。

動画

おまけにピラルクの食餌動画です。大迫力です。

 

※本記事内のflickr画像につきましては、flickrの埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

 

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