2017 06/15
器具・製品

熱帯魚用のえさ、一体どんなものがあるの?

1.人工飼料 基本のえさ。オールマイティなフレークフード

フレークタイプの人工飼料は、熱帯魚のえさとしてもっとも多く使われ、オールマイティ性も持つものです。こちらのタイプを問題なく食べるようなら、基本のえさとして固定するのがおすすめです。栄養バランスの高いえさです。

 

 

画像出典:http://tropical.co.jp

当初生き餌などでないと餌付かない魚に関しても、えさやり時にフレークフードを「拍子で食べてしまう」ような状況を多くし、フレークフードに移行させていきます。※ただし、生き餌が適している魚はこの限りではないです。

保管も簡単で、高温多湿や直射日光を避け、指定期間内に使うというだけ。保管を含めてコストも低いえさです。生き餌・冷凍えさなどに比べれば、オンライン購入での送料も低めです。

2.人工飼料 食べやすく小さく加工。小型魚・稚魚用など

成分的にはフレークフードに近いものですが、小型カラシンや稚魚用に、小さな粒・粉のように加工された人工フードもあります。

画像出典:チャーム

保管にも手間がかからず、一般のフレーク同様に扱えます。実際のところ小型魚はフレークでも十分食べられるケースが多いですが、念のため少量パックなどを、個体と同時に買っても良いでしょう。

稚魚では沸かせた「ブラインシュリンプ」なども一般的ですが、やや手間のかかるえさですので、こうしたフードでもし餌付くならばそれでOKです。また、生まれたばかりの稚魚にはブラインシュリンプを与え、徐々にこちらに移行していくスタイルもスムーズでおすすめです。

3.人工飼料 草食性の高い魚に!植物質多めのフード

草食性の高い魚では、植物質を多く配合したフードを与えます。草食性の高い魚(メティニス、ミロソマ等)ではメインとして与えられます。

画像出典:チャーム

また、かなり多くの熱帯魚は雑食性があります。主に動物性フードを食べているとしても、ときどき、若干の植物質を与えることでより調子が良くなることがあります。

コイ・ドジョウ類やメダカ類にも適しており、「害はないが、時々水草の新芽を噛んでいるようだ」あるいは「そういう種類との説明はないけど、コケを時々つついている」といったような熱帯魚にも向きます。

徹底した飼い込みで美しくヒレを伸ばさせたり、繁殖も狙う場合では、「草食性はほぼない」とされる魚でも、ちょっと与えることを検討してみたいフードです。

4.人工飼料 魚種や状況に合わせて。色揚げ用、タブレットタイプ、壁面に貼り付けるタイプなど変形タイプ

人工フードでも、形状や性質は様々です。コリドラスやプレコなど底生の魚なら、底に沈むタブレットタイプや、壁面に押し付けるタイプなどもマッチ。アロワナなど表層を泳ぐ魚に合わせて浮上するものもあります。

 

画像出典:チャーム

たとえば掃除屋としてコリドラス・ドジョウ等をちょっと多めに飼っていると、他の魚の残餌だけでは餌が不十分になってしまいます。そうした意味から専用の形をした人工フードが便利です。

また、グッピーやエンゼルフィッシュ向けなどでは、発色をより鮮やかにする「色揚げ用飼料」などもあります。

フレークフードのケースたちは比較的おしゃれなものも多いですし、統一感ある遮光ビンなどへの詰め替えも可能。専用棚などをあしらい、「見せる」方向で保管もできます。そこまでも含めた「レイアウト」も楽しんでみたいもの。

5.赤虫 栄養価・嗜好性に富む定番の生き餌

赤虫は、ユスリカの幼虫で、1cmほどのものから、2cmほどあるものといくつか種類があります。釣りえさとしても使われるぐらいなので、嗜好性はとても高いえさです。

画像出典:http://yaplog.jp

主に小型魚に向いており、ワイルドものや、やや臆病で餌付きにくい魚にマッチします。栄養もあるえさで金魚愛好家にも古くから人気です。人工飼料で問題なく飼育している魚にも、月に数度など与えてみると調子が出たりします。

ショップ(オンラインを含む)で容易に入手できますが、数日~一週間程度しか生きないため、常用するにはある程度コストもかかります。

あまり水を汚すことがないのも、生き餌としての赤虫の特徴です。

保存は生き餌としては簡単で、新聞紙などで包みビニール袋に入れ、冷蔵庫に入れておきます。なお、普通ありませんが何らかの事情で羽化しても、成虫が人を刺すことはありません。

6.イトミミズ 嗜好性が高い生き餌、昔から普及している

イトミミズはイトメとも呼ばれ、文字通りミミズの仲間。アカムシと並んで扱いやすく嗜好性のある生き餌です。1mmほどと大変細いですが、長さは5cmほど。小型魚~中型魚向けです。

 

画像出典:https://kotobank.jp

中型の魚の稚魚、卵生メダカ、バジス・バジスなどにも向く他、エレファントノーズなどでは、時にはイトミミズしか食べない個体もいます。

かたまりを作って生きていますが、適当に水槽に放り込んでは、あちこちに潜り込んでしまいます。そこで皿などを水槽に入れ、そこに入れておく給餌法が良く見受けられます。この際、人間用のおしゃれな食器、灰皿をアクアリウム専用に購入するなどで、それ自体がレイアウトとして楽しめます。

また「イトメ入れ」と言われるイトミミズ専用の給餌器もありますが、こちらもしゃれた物を選べます。

イトミミズは、ショップでもオンラインでも購入できます。容器に浅い水を張ってエアレーションし、1日1-3回水換えをする、あるいは容器に少しずつ水を垂らし、「かけ流し状態」にするなどで数日キープできます。

キープ水槽を含め、イトミミズは塊の一部から腐敗し、あまり多く入れると、水を汚すことが多いところが注意点です。魚・レイアウトのある本水槽には適量だけを入れましょう。

7.クリル 初期の餌付けに効果大

「クリル」は乾燥したオキアミで、古くから熱帯魚用として親しまれています。クリルの特徴としては、赤虫やイトミミズとはまた異なる嗜好性があることです。あまり人工餌を食べない魚について、まずクリルから試す方法があります。

 

画像出典:チャーム

大きさ的には2-3cmあり「桜えび」をやや大きくしたようなイメージ。姿そのままのものなら、中型魚~大型魚向けです。フグ飼育にも向くえさです。

粉末状に加工されたもの(自分で潰しても良い)なら、小型魚にも与えられます。

諸説ありますが、「クリルのみ」を与え続けるのは、栄養が偏り、あまり良くないとするアクアリストが多いです。使い方としては生き餌からフレークフードへの移行期に、クリルの期間を差し挟む、クリルからはじめてフレークフードに切り替える、クリル以外の餌も用意する、などが考えられます。

缶に入っているものが多く、保管は容易です。

8.乾燥生き餌 保存がラクラク。たまのごちそうに

乾燥赤虫、乾燥イトミミズなどは、安価に買えて保管もラクです。生き餌までは必要ないとしても、人工飼料をやや食べ渋る魚にも向いています。

画像出典:チャーム

また特に大きな目的がなくても、人工飼料より元気に食べてくれることがあり、その姿自体をレイアウトの一部としても楽しめます。

テトラ類やグッピーなど比較的ポピュラーな魚種を飼っているビギナーでは、「普段は人工飼料、数日に一度乾燥生き餌」といったえさの与え方も手軽かつ面白いものです。

乾燥飼料の場合、実際には銘打たれている特定の生物だけでなく、様々の成分が配合されているものもあります。何ら問題はありませんが、時々原材料をチェックしてみましょう。

9.冷凍生き餌 生きたままよりは管理しやすい。なかなか餌付かない魚に

冷凍の赤虫やイトミミズもあります。キューブ状になって売られています。嗜好性、価格、保管の手間とも、乾燥生き餌と生き餌の中間的な存在です。

画像出典:チャーム

基本的には、解凍して、使用します。

人工飼料になかなか餌付いてくれない魚に向きますし、「生き餌のアカムシやイトミミズを好む魚のようだが、毎回はとてもやっていられない」といったケースにも向きます。

冷凍生き餌は、あまり適当に多量を与えると、そのまま浮遊してフィルターに詰まったり、どこかで腐敗してしまったりします。魚が数分で食べきる量のみを与えましょう。

10.ディスカスハンバーグ 知っておきたい、ディスカス専用飼料

ディスカスハンバーグは、ディスカス専用の飼料です。牛ハツなどからできており、他の熱帯魚用飼料とはかなり毛色の違うものです。冷凍飼料の1つでもあります。

画像出典:チャーム

ディスカスの色揚げに効果的で、病気を防ぐ成分、虫下し成分、植物成分などを含む品もあります。ディスカスは赤虫・冷凍赤虫やフレークフードでも飼育できますが、ディスカスハンバーグを知っておいて損はありません。

11.ブラインシュリンプ 卵から自分で沸かせられる。稚魚や小型魚に

ブラインシュリンプは、主に乾燥卵の状態で販売されていて、これを手軽に沸かして稚魚や、とても小さな魚(ワイツマニーテトラなど)に与えます。「アルテミア」という小さな甲殻類の一種です。

Artemia
2-3%ほどの濃度の塩水に卵を入れ、温度を28-30℃にキープ、エアレーションを行います。すると1-2日でブラインシュリンプの幼生が発生しています。ブラインシュリンプの幼生は光を当てると集まってくるため、それをスポイトですくって使います。塩水が気になるアクアリストでは、ろ紙で濾すと良いでしょう。

慣れてくるとブラインシュリンプを沸かすのは非常に簡単になります。魚の繁殖とこちらのブラインシュリンプ孵化までスムーズに行えるようになれば、ビギナーからの各種相談も受けられるぐらいのアクアリストと言えるでしょう。

ブラインシュリンプの幼生を乾燥させたものも売られており、それでOKな場合もあります。

子供向けの知育ペットとしても人気を博していたのが、ブラインシュリンプの仲間です。熱帯魚のえさとしては幼生を用いますが、キープしつづければ1cmほどに成長します。面白いアイディアとして、ブラインシュリンプを主役に使うレイアウトも考えられます。

12ミジンコ 自分でも採ってこられる

稚魚に用いる、小型魚に時々与えるなどで便利なのが、ミジンコです。ミジンコの特徴としては、田や沼で自分で採集できることです。田は安全ですから、許可を得た上で、きめの細かい網で水をすくうだけでも捕まります。
Daphnia Magna
採集してきたミジンコは、水槽の水をプラケースに移し、そこで飼育します。真水を25-30℃程度にキープしておけば、容易にキープでき、繁殖も可能です。

ミジンコ自体もペットとして人気があり、ミジンコ用のえさも販売されているほど。栄養価としてはブラインシュリンプ(の幼生)のほうが良いとされますが、ミジンコは成長しても1-3.5mm程度と小さいため、長くキープできるメリットがあります。

ミジンコの卵、ミジンコを乾燥・冷凍したえさなども販売されています。

12.インフゾリア ほぼ、最小レベルのえさ。非常に小さな稚魚などに向く

ブラインシュリンプでも食べられないほど小さな稚魚もいます。またブラインシュリンプはよく泳ぎ回るので、キャッチできないタイプの稚魚もいます。そうした場合使われるのが「インフゾリア」です。バクテリアの一種で、浸滴虫類という仲間です。

 

画像出典:http://tibakenmatudo.jugem.jp

以前では、「水槽の水をプラケースに入れ、葉物野菜の葉(レタス、キャベツなど)と牛乳数滴を入れておき、数日経つと発生している(水に白い濁りができているのが、インフゾリアの集団である)」といった手間のかかる手法がメインでした。

もちろん上記の方法で沸かせてもコストがかからず良いのですが、失敗してしまうケース・発生したものがインフゾリアか判別できず困る状況もあります。今では「インフゾリアの素」といった製品が販売されており、乾燥状態の粉で、高い確率で発生させられます。

13.【グロ注意】ミルワーム・コオロギ 昆虫食の魚は、意外と多い。大型魚に

爬虫類飼育などでも使われるえさが、ミルワームやコオロギです。

Mealworms
ミルワームは「ゴミムシダマシ」の幼虫であり、嗜好性のある餌です。大きさは数センチにもなるのでアロワナなど大型魚に向きます。

コオロギについては、キープが容易なのが美点です。栄養にも優れており、大型魚をキープしていく上ではなかなかの役割を果たしてくれるえさです。

栄養面でのみ与えたい場合、特に昆虫類の生体が苦手な方では、乾燥・粉末タイプのえさもあり、便利です。

14.小魚 大型魚を飼うなら、キープ・購入してみよう

魚食性の強い魚を買う上では、金魚、メダカなどの魚をえさとしてキープする必要があります。都度買ってきてもいいですし、それ用の水槽を用意し、まとまった数を飼育しておいてもいいでしょう。
金魚
「魚を魚に与えるとかは、心苦しい」といった心境となるアクアリストもいますが、事前に飼育魚種について調べておけば分かることです。しっかりチェックしておきましょう。

ガーパイクやアロワナなど大型の魚食性熱帯魚の他、レオパード・クテノポマなど中型でも魚を好む熱帯魚はいます。魚の食性を良くチェックした上で飼育を開始しましょう。

15.野菜 草食性の高い魚には、たっぷり与えよう

メティニスやミロソマ、それにコロソマといった草食性の強い魚には、野菜を与えます。具体的には小松菜、ほうれん草、レタスなど葉物野菜を茹でたものが良いでしょう。
Lettuce
「水草を食べてしまう」などと敬遠されることも多い草食魚ですが、文字通り草食性なのだから、それは当たり前のこと。野菜を豊富に与えることで、ある程度の水草レイアウトとも共存させられることがあります。

また、カンタンな、室内向け野菜栽培キットなども売られていますから、それらを組み合わせたテラリウム風レイアウトなども面白いものです。単にそうした野菜を水槽周辺にあしらうのでも、キレイな空間に仕上げられます。

ほうれん草には「シュウ酸」が付着していることがあります。葉物野菜は、スーパーなどで買ってきたものをそのまま与えるのではなく、適宜茹でることが大事です。

【まとめ】

熱帯魚用の餌には、人工飼料から生き餌、野菜に至るまで非常に多くの品物があります。それらの価格や、特に入手と保管のしやすさには大分違いがあります。魚を買い始める前に、餌についても良く知っておきましょう。

何でも与えればよいのではなく、食べてくれるのなら人工飼料をベースとしつつ、少し違うものも時々与えるのがおすすめですね。さまざまなえさを見るのも楽しいものですが、えさは与えすぎとせず、「少なすぎる」ぐらいでも良いのが熱帯魚です、そこはお忘れなく。

 

(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:http://nettaigyokaou.blog.fc2.com
参照・画像出典:https://plaza.rakuten.co.jp
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参照・画像出典:http://blog.goo.ne.jp
参照・画像出典:http://hachuarium.com
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

※本記事内のflickr画像につきましては、flickrの埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

 

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