2017 03/22
熱帯魚・エビ

ベタの繁殖恋愛物語|お見合いから子育てまで

ベタをはじめとしたアナバスの仲間は、繁殖形態がとてもユニークと言えます。
たとえばベタならば「泡巣」です。これはバブルネストビルダーと呼ばれ、少し変わった繁殖行動です。

今回はそんなベタの繁殖について順を追ってみていきたいと思います。
ベタのお見合いから産卵、子育ての様子までを紹介します。

ベタは「バブルネストビルダー」

betta bubble nest

バブルネストビルダーとは、「泡巣」をつくって卵や稚魚を守る繁殖行動をする熱帯魚のことです。

ベタはこのバブルネストビルダーなので、「泡巣」をつくります。

ベタを飼っていると、水面に細かい泡がいつまでも消えずに残っていることはありませんか?

これが泡巣です。泡は水質の悪化によるものではなく、ベタが自ら口の中で空気を細かく砕き、唾液を混ぜながら割れにくくしているものです。

ベタはこの泡巣を使って子育てをします。

しかもベタはオスが子育てを担当します。

ベタのオスが甲斐甲斐しく卵や稚魚の世話をする様子が、何とも言えない感動を与えてくれます。

 

ベタの繁殖は水流が弱い水槽で

画像出典:http://take118.blog118.fc2.com/

ベタは泡の巣をつくって繁殖する魚です。
しかし、泡は非常に壊れやすいので、ベタの繁殖の邪魔にならないように水流を弱める工夫をしてください。

上部フィルターや外掛け式フィルター、外部フィルターなどのフィルターは一般的に水流が強いので注意してください。

できれば、稚魚のことも考えてスポンジフィルターにしておくとよいでしょう。
水流も弱いですし、卵や稚魚が吸い込まれる心配もありません。

ベタの掛け合わせを想像する

Betta

ベタは品種改良が非常に進んでいる熱帯魚です。
私たちのもとにベタがやってくるまでの間に、実に様々な系統の特徴が入り混じっています。

したがって、親ベタの色や模様、エラやヒレの形がダイレクトに子に受け継がれるとは限りません。

大抵の場合は、「同色」×「同色」=「同色」

と予想するものですが、時に予測がハズれ「二色」や「マーブル模様」になったりします。

これはすでに述べたように、一見純粋な「単色(レッド、ブルー、イエロー、ホワイトなど)」に見えても、今の世代に現れていないだけということも十分考えられます。

これはブリーディングの醍醐味です。
思いもよらない模様や色が現れたたら、がっかりするのではなくむしろ楽しみましょう。
どんなベタのベビーが生まれるのか、想像しながら待つとよいです。

メスの個体選び

 

画像出典:http://aquarium-fish.kamihata.net/

 

ベタのメスは十分に成熟した個体を選びましょう。成熟しているかどうかは、下腹部の産卵管があること、そして腹部が膨らんでいること(抱卵)で見分けます。

ベタのオスについては健康状態が良く、普段から泡巣をつくっているような個体がベストです。

お見合い編|相性を見極めて

画像出典:https://plaza.rakuten.co.jp/

ベタのオスとメスをいきなり同じ水槽に入れてはいけません。ベタにも人間と同じように相性があります。なので産卵に至るかどうかはオスとメスの相性の問題と言えます。こればかりは正直、両者を会わせてみないと分かりません。

まず、メスを小さな水槽に入れてオスの水槽の隣に置きます。
あるいは産卵箱(サテライト)をつかって、オスがいる水槽に入れます。
数日間そのままの状態をキープし、オスの様子を確認してください。
<オス>
オスがメスに興味を示し、泡巣をせっせとつくり始めたら準備はオッケーです。
<メス>
メスがオスに興味を示し、シマシマ模様の婚姻線がカラダに出始めたら準備はオッケーです。
「ベタメスの婚姻線」
画像出典:http://marionetten-puppe.at.webry.info/
お互いの合図を確認して2日程度してからオスとメスを同じ水槽に入れてみます。
※お互いの合図が出ていても、数時間してもずっと一方的にどちらかを追いかけまわしたりしているときは死んでしまう可能性があるので、隔離しましょう。

産卵編|愛の結晶

My Betta Spawning

ベタのオスは泡巣の下にメスを誘い、産卵します。
オスがメスに巻き付くようにしていたら求愛行動と言えます。
ベタの産卵は一度に数個程度なので、これを何度も繰り返し、数百個の卵を産みます。
オスはその都度、卵を泡巣に運びます。(オスが口に卵を含み泡巣に運びます)

産卵が終わったあとは、メスを取り出して別の水槽(元々いた水槽)に戻してあげてください。ここから先の子育てはオスが担当します。

ベタのメスがそのまま水槽に残っていると、卵を食べてしまったりオスに攻撃される恐れがあります。速やかにメスは取り出しましょう。

子育て編|男の底力

Betta Bubble Nest
卵は2~3日で孵化します。

それまでの間はオスがすべて世話をします。
卵や孵化したばかり稚魚は泡巣でぶら下がるように過ごします。
時折、卵や稚魚が水槽の底のほうに落ちてしまうことがあるのですが、そんなときはすかさずオスが追いかけて、口にくわえて泡巣に戻します。
オスが餌も一切食べず忙しく子育てをする様子は見ていてとても感動します。
また、泡巣はただの泡なので一部が自然に壊れてしまうことがあります。
そんなときもオスが必死に修繕していきます。ベタの繁殖はこのように少し変わっています。
じっくりと観察してみてください。

稚魚編|オスと子供達の別れ

fry_free

3日目以降、卵が孵化し稚魚が泳ぎ始めます。ここまでくるとオスもようやく役目を終えます。
オスも水槽から取り出します。餌も食べずボロボロの状態ですのでお疲れ様と声を掛けてあげて下さい。
ここからは飼育者の手で育てていきます。ベタの稚魚は口がとても小さいです。したがって市販の人工飼料は食べられません。

インフゾリアなどの微生物を水槽内で発生させるか、市販のブラインシュリンプをわかして稚魚に与えるとよいでしょう。

画像出典:http://www.kyorin-net.co.jp/

成魚前編|ヤンチャ坊主に・・

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1か月ほどは人工飼料ではなく、微生物などを稚魚に与えて育てます。
1か月以降は人工飼料も食べられるサイズになるので、徐々に切り替えていきます。
3か月もすれば体の模様もはっきり現れてきますし、ヒレの大きさでオス・メスの区別もつくようになります。

半年後には立派な成魚となり、次の繁殖が可能となります。

 

まとめ

ベタの繁殖はそれほど難しいものではありません。
グッピーほど容易ではありませんが、ひと手間加えるだけでベタのブリーディングも十分可能です。
飼育の次は繁殖にもチャレンジしてみてください。
自分だけのベタをつくれば、思い入れも感動も今まで以上になること間違いなしです。

繁殖動画

 

※本記事内のflickr画像につきましては、flickrの埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:http://www.gex-fp.co.jp/
参照・画像出典:http://aquarium-fish.kamihata.net/
参照・画像出典:Youtube(mizukawa7)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

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